【中学受験】算数に方程式を使ってよいか|親の教え方と塾のやり方が食い違う理由
こんにちは。
中学受験をされるお子様の保護者の方で
家で教えようとすると、つい方程式で解いてしまう…子どもが混乱している気がする…
という方はいませんか?
文章題で止まっている我が子の横に座る。
読んでみれば、xを立てれば一行で終わる問題。
そう教えたところ、返ってきたのは「塾ではそうやってない」。
そこから、どちらが正しいのかを巡って言い合いが始まる。
思い当たる方も多いのではないでしょうか。
今回は、プロ家庭教師Edenの居村が、
・中学受験の算数で方程式を使ってよいのかどうか
・私が家庭での方程式指導を勧めない理由
・家で教えるときに守っていただきたい原則
についてお話しします。
ぜひ、最後までご覧ください。

中学受験の算数に方程式を使ってはいけないという決まりはない
はじめに、事実の確認から。
入試の答案で方程式を使ってはいけない、という決まりはありません。
答えが合っていれば、原則として得点になります。
考え方を書かせる問題でも、筋が通っていれば認められる。
つまり「使ってはいけない」という話ではないんですね。
ではなぜ、多くの塾が方程式を教えないのか。
一般的には、使える道具は多いほうがいいと言われますね。ですが、Edenでは足し算ではなく引き算で考えます。合格につながらないものから先にやめる、ということ。
私自身も、家庭での方程式指導をお勧めしていません。
理由を四つに分けて書きます。
中学受験で方程式を勧めない4つの理由
理由1|小学生には移項の意味が入らない
いちばん大きいのがこれ。
方程式は、手順としては単純です。
xを立てて、両辺から同じ数を引いて、両辺を同じ数で割る。
大人には自明ですよね。
ところが小学生にとって、「両辺に同じ操作をしても等号は保たれる」という感覚は、まだ育っていません。
だから、手順だけを覚えます。
移項したら符号が変わる、という規則を、意味が分からないまま暗記する。
そうすると何が起きるか。
少し形が変わった瞬間に、符号を間違えます。
しかも本人は、なぜ間違えたのか分からない。
理解を飛ばして手順を渡すと、短期的には解けて、長期的に崩れるんです。
理由2|塾の解法と食い違って子どもが混乱する
二つ目は、現実的な問題。
塾では、線分図や面積図を使った解き方を習っています。
そこへ家庭から別の解き方が入ってくる。
子どもは、どちらを信じればいいのか分からなくなりますよね。
テストでは塾のやり方が求められ、家では親のやり方で説明される。
この状態が続くと、子どもは考えること自体をやめます。
どちらか一方に統一する。これが原則。
統一するなら、塾で習っているほうに合わせるのが自然でしょう。
理由3|方程式では解けない問題が相当ある
三つ目。
中学受験の算数には、方程式では処理しきれない問題が数多くあります。
場合の数、規則性、図形の分割、条件を整理して絞り込んでいく問題。
これらは、式を立てて解く形になっていません。
さらに、比を使えば数行で終わる問題を、方程式で正面から処理すると、かえって計算が膨れ上がることも多いんです。
方程式は万能の道具ではない、ということ。
むしろ中学受験の算数は、方程式を封じることで別の力を測ろうとしている。
理由4|途中式を書く力が育たなくなる
四つ目は、少し先の話。
方程式に頼ると、図を書かなくなります。
線分図も面積図も、書く必要がなくなるから。
ところが、記述で考え方を書かせる学校では、その図こそが得点になります。
図を書く習慣が育っていない子は、そこで手が止まる。
短期の効率が、長期の得点を削ってしまうわけですね。

お子さんが塾のやり方でつまずいているのか、教え方の食い違いで止まっているのか
ここを切り分けないまま教え続けると、混乱が深まります。EdenのLINEから、お子さんの学年とご家庭での様子をお聞かせください。
中学受験の数学 問題との違い|線分図と面積図が担っているもの
もう少し踏み込みます。
中学以降の数学と、中学受験の算数。
何が違うのか。
数学は、状況を記号に置き換えてから処理します。
xを立てた時点で、問題文の意味からいったん離れる。あとは形式的な計算です。
対して中学受験の算数は、最後まで意味の世界にとどまります。
線分図は、量の関係を目に見える形にしたもの。
面積図は、二つの量の掛け算を長方形の面積として表したもの。
どちらも、「いま何と何を比べているのか」を見えるようにする道具ですね。
つるかめ算を面積図で解くとき、子どもは頭の中で状況を動かしています。
方程式で解くとき、動かしているのは記号だけ。
どちらが優れているという話ではありません。
ただ、小学生の段階で意味を伴った処理を通しておくと、中学以降の数学が驚くほど楽になります。
私は19年この仕事をしてきて、それを何度も見てきました。
面積図で比を扱えた子は、中学で連立方程式に出会ったとき、意味が最初から見えているんです。
だから遠回りではない。
むしろ順序として正しい。
中学受験の算数を家で教えるときの3つの原則
とはいえ、家庭で教える場面はどうしても出てきます。
守っていただきたい原則を三つ書きます。
原則1|塾で習った手順に合わせる
まず、教える前に確認してください。
その単元を、塾ではどう教わってきたのか。
ノートやテキストの解説を先に見る。
そこに書かれている手順で説明する。
「お父さんのやり方のほうが早い」は、いったん飲み込んでください。
早さより、一貫していることのほうが、この時期は重要です。
原則2|先に図を書かせる
式から入らせないこと。
問題文を読んだら、まず線分図なり面積図なりを書かせます。
書けないなら、そこが理解できていない場所。
図が書けた時点で、式はほとんど自動的に出てきます。
逆に言えば、図を飛ばして式が出てくる子は、解法を暗記しているだけということ。
その状態は、範囲のない模試で必ず崩れます。
原則3|「分かった?」と聞かない
家で教えたあと、つい「分かった?」と聞いていませんか。
こう聞くと、たいてい「分かった!」と返ってきますよね。
親も安心して、次の問題へ進む。
しかし、子どもの「分かった」には、いくつもの意味があるんです。
- 細かいところは分からないが、大まかには分かった
- 本当は分からないが、そう言えば親が安心するから言っておく
- 式の意味は分からないが、解き方の手順だけ覚えた
- なぜそうなるかまで理解できた
このうち、本当に身についているのは最後のひとつだけ。
代わりに、類題を1問解かせてみてください。
それだけで、本当に分かっているかどうかがはっきりするでしょう。

子どもが混乱しているときに出るサイン
教え方の食い違いは、成績よりも先に態度に出ます。
私が面談でよく聞くサインを挙げておきます。
- 家では解けるのに、テストでは同じ問題を落とす
- 解き方を聞くと「塾のやり方」と「家のやり方」を混ぜて説明する
- 式は書けるのに、なぜその式なのか答えられない
- 教えようとすると、露骨に嫌がるようになった
このどれかが出ているなら、教える内容ではなく教える形を変えたほうが早い。
面談を重ねる中で、成績が伸びない原因はだいたい次の4つに収まる、ということが見えてきました。
- 原因が見えていない
- 改善の方法がわからない
- 方法が見えても、家庭だけでは実行が難しい
- 本人のやる気が続かない
親御さんが方程式で教えてしまう状況は、二つ目の典型です。
やり方が分からないのではなく、自分の知っているやり方しか手元にないということ。
これは、まったく責められることではありません。
大人が中学受験の解法を知らないのは当然ですから。
教える役を外に出すという選択
もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
家庭での学習がうまくいかない原因は、解き方だけではありません。
親御さんが、管理する役と教える役を一人で兼ねていること。
一般的には、家庭は勉強を教える場だと言われますね。ですが、Edenでは家庭の関わり方そのものを変えていただきます。
説明がうまく通らないと、どうしても声が強くなりますよね。
「なんでこれが分からないの」が出た時点で、その日の学習は終わってしまう。
親子喧嘩の多くは、ここから起きています。
集団授業には、進めなければならないカリキュラムがあります。
講師はそれに沿って進む。
その結果、根本原理の説明が薄いまま、問題演習だけが先へ進んでいきます。
家庭がその穴を埋めようとして、方程式に手が伸びる。
構造としては、とても自然な流れなんです。
当会に寄せられたGoogleのレビューにも、こんな声をいただいています。
Edenでは我が子の現状把握をしてくださり、出来て無い部分を見つけ基礎へ再度立ち戻り、出来ないを出来るようにと指導して下さり、本人の自信にも繋がりました。

Edenでは、LINEで毎日の学習内容を個別に管理しています。
塾でも家庭教師でも、授業のない日のほうが圧倒的に多いですよね。
その6日間をどう埋めるか。
LINEでの質問・相談は、24時間いつでも送っていただけます。私と専任講師のダブル体制で見ていますので、そこは安心してお任せいただければと思います。
親御さんが教える役を降りて、外の人間がその役を引き受ける。
これだけで、家の空気は変わりますよ。
教え方を巡る言い合いを、いったん終わらせてみませんか
解法を統一するだけで、家庭の会話は戻ります。まずはお子さんの現状と、ご家庭での教え方をお聞かせください。
偏差値が測定できない状態から広島城北中学へ
以前、こんな生徒がいました。
大手の集団塾に通っていたのに、模試の偏差値が測定できない状態でした。
宿題はやっています。それでも、テストはほとんど白紙で返ってくる。
私が最初にお願いしたのは、新しいことを増やすのをやめることでした。
4年生と5年生の基礎まで戻る。難問とオプション講座には手を出さない。×を○に変え切ることだけをやる。
中学受験で問われる内容には、4年生・5年生で習った範囲が多く含まれます。
戻ることは、後退ではないんです。
そこから偏差値57の水準まで伸び、広島城北中学に合格しています。
模試の偏差値は、全国の受験生の中での位置を示す数字にすぎません。
実際の入試で問われるのは、その学校が出す問題だけ。
だとすれば、その学校の問題のどれを取ってどれを捨てるかのほうが、合否には直接つながるでしょう。
2025年から2026年にかけては、オンラインの指導だけで、麻布・駒場東邦・広尾学園・本郷・高輪・世田谷学園・栄光・洛星・六甲・北嶺・函館ラサール・桐光学園・桐蔭学園・森村学園・開智所沢・横浜創英・横浜雙葉・鎌倉女学院・穎明館・神奈川大学附属・城北・清風・日大豊山・安田学園・帝塚山・逗子開成・鎌倉学園・大宮開成・高槻・岡山白陵などに合格者が出ました。

遠回りに見える解き方が残していくもの
最後に、私の考えをお伝えします。
Edenが短期の目標に置いているのは、第一志望校への合格。
しかし長期の目標は、別のところに置いています。
「将来、生きていく力を身につけること」です。
もっと言えば、小さな成功体験の数を増やして、自己肯定感を高めること。
方程式を使わない解き方は、一見すると遠回り。
線分図を書き、比を取り、条件を整理する。手間はかかります。
けれども、その過程で子どもが身につけているのは、答えの出し方ではありません。
状況を自分の手で見える形に置き換える力。
これは、大人になってからの仕事とほとんど同じ形をしています。
しかも、図を書いて自分で解けた一問は、公式に当てはめて出た答えとは重みが違うんですね。
「自分で分かった」という感覚が残るから。
その感覚の積み重ねが、自己肯定感になっていく。
いまお子さんが混乱しているのは、能力の問題ではありません。教え方が二つあるだけ。
一つに揃えれば、動き出します。
偏差値が測定できない状態から合格した対談
記事で触れた広島城北の子が、当時のことを本人の言葉で話しています。
塾なしで偏差値が測定できない状態から、偏差値57の有名中に逆転合格するまでの対談です。
教え方が二つある状態をほどくところが、最初の分かれ目になります。
ほかの合格者との対談も、こちらにまとめてあります。

中学受験専門プロ家庭教師Edenの指導体制
最後に、当会がどんな形でお子さんを見ているかを書いておきます。
- 講師は採用後も研修を重ねています
- 代表の私が、すべての生徒とすべての講師を管理
- LINEによる毎日の学習管理と、24時間いつでも質問・相談を送れるサポート体制
- 全4教科のプレミアムライブ講座を土日を中心に実施、保護者向けグループコンサルを定期開催
- 合格までの道筋をまとめたオーダーメイドのマインドマップ
- 過去のライブアーカイブは200本以上
拠点は横浜市。オンラインで全国のご家庭を見ています。
Googleのレビューは130件以上、平均4.7をいただいています。
「家での教え方を、どう変えればいいですか」
この質問に、ご家庭の状況を伺ったうえでお答えします。いまの学年、通っている塾、どこまで教えているかをお聞かせください。無理におすすめすることはありません。
EdenのLINEはこちらです。

著者プロフィール
居村 直希(なおき先生) 株式会社Eden 代表取締役/中学受験逆転合格プロデューサー
私学の教員、大手塾の講師を経て、「一人一人の生徒を勝たせる」ことを信念に個別指導塾Edenを立ち上げる。現在は中学受験専門のプロ家庭教師「家庭教師Eden」を運営し、自身も代表講師として指導にあたる。
- 指導歴19年
- 保護者との面談実績1500件以上
- Googleレビュー130件以上(平均4.7)
- 著書『自分から学ぶ子どもの親は知っている 小学生が勉強にハマる強み学習法』(総合法令出版・2025年2月)は、紀伊國屋書店・有隣堂・ジュンク堂で総合および実用書のジャンルでベストセラー1位
- 偏差値30台・40台からの逆転合格指導を得意とする

