こんにちは。
中学受験をされるお子様をもつ保護者の方で、
中学受験の情報誌を読もう!
と思われている方はいませんか?
受験の情報誌には確かにお役立ち情報がありますが、
一つ、注意していただきたいことがあります。
それは、毎年よくある、
「○○に強い学校」特集。
本記事ではプロ家庭教師Edenの居村が、
- 情報誌の「○○に強い学校」特集を、鵜呑みにしてはいけない理由。
について、話します。
是非ご覧ください。
「○○に強い特集」に根拠はありません。
「○○に強い特集」には、
根拠がありません。
特徴はよく紹介されます。
大学進学者などの、いわば「数字」ではなく、
学校の特徴を紹介することで、
志望校選びに役立ててもらおうとする雑誌やインターネットの記事もありますね。
- 英語教育に強い学校。
- 数学に特化している学校。
こういう見出しがついて、
学校の特徴が紹介されています。
ぶっちゃけ、「広告」です。
まず、この手の特集、
- だいたい広告
なのが真実です。
良い雑誌であれば、ページの隅に
「PR広告」など、書いてあります。
それがなくても、
同一フォーマットで特集が並ぶようなものは、
広告企画である場合が多いです。
広告とは、どういうこと?
広告とは、つまり、こういう流れです。
まず、出版社が学校の広報担当を訪問し、
「○月号の企画にご参加いただけないか」
と営業します。
話が進めば、学校は広告費を支払い、
「アクティブラーニング」の欄に入れるのか、「国際教育」の欄に入れるのか、
広告掲載の枠を選びます。
そして数日後、
プロの記者が学校を取材し、記事を書く。
こういう流れ。
でも、これ自体はそんなに悪いことではないと思います。
学校が意志を持って
「○○に力を入れている」
と宣言し、実際に実績を紹介しているのだから、問題はありません。
わかりやすいメッセージです。
問題も、あります。
問題もあります。
雑誌の編集部側が意図的に、
- この学校は数学に力を入れている。
- この学校は英語に力を入れている。
などなど、
意図的にピックアップするケース。
塾講師をしている私の身にも、
- 「キャリア教育に力を入れている学校を教えてほしい」
- 「国立入試に強い学校を教えてほしい」
と、依頼が来ることがありますが、基本的にはお断りしています。
なぜか?
英語と言っても、
- リーディングを重視する学校
- 英会話重視の学校
と、色んな種類があるで、一概に、
「英語が強い学校は?」
と聞かれても。困ってしまうのです。
ではどのように記事なっているのかと、
本屋の雑誌をペラペラめくってみると、
「ここを出すのなら、あの学校のほうがいいんじゃないの?」
とつっこみたくなる時も。
と、いうより、
誰がリストアップしても、完全なものなどあり得ないですよね。 ・
基準があいまいです。
確かに、私の中でも、
- 英語が強い
- 数学が強い
など印象がある学校はあります。
しかし、
その学校の教育の中では英語教育が目立っているとか、
キャリア教育に比重があるとかいうだけで、
他校と比べてその学校の英語教育のレベルが高いかとか、
キャリア教育が効果的かなどと問われると、
一概にはいえません。
やっぱり
- 基準が曖昧すぎる。
のが現実です。
「印象」ならOKです。
一概に決めつけるような記事は信用できませんが、
たとえば、
- 「塾の先生100人に聞いた、英語教育に定評のある学校」とか
- 「保護者から聞いた、面倒見のいい学校」
などという企画なら信用できます。
みんなの「印象」を寄せ集めていることが明確だからです。
情報誌を上手く使いましょう。
「○○に強い学校」
と、偏差値や大学進学の「数」だけを見ないで
志望校を選ぶ姿勢は正しいと思います。
しかし、
雑誌が意図的に行った、
主観的な記事を鵜呑みにするのは危険です。
「じゃあ何を基準にしたらいいのかわからないじゃないか」
と、お叱りの声が聞こえるが、根本的な問題はそこなのだ。
学校を横並びにして、
- どこが優れている、
- どこが劣っている
と比較するための簡単な基準などないのです。
だからこそ、学校説明会に行ったり、
こつこつ口コミを集めたりして、子供にとってのベストを探していくしかないのです。
記事公開日 2020年3月16日
最終更新日 2021年9月10日
参考・引用
おおたとしまさ『間違いだらけの中学受験』2013