こんにちは。
中学受験をされるお子様を持つ保護者の方で
子供が大量の課題を塾から出されて、困っている…。
という方はいませんか?
しかし、安心してください。
それらを全てやる必要はありません。
逆に課題を全てこなそうとすると、
弊害が生じる可能性があります。
本記事では中学受験業界に10年以上携わってきた
プロ家庭教師Edenの居村が
- 塾が出す大量の課題に潜む、2つの危険
を話します。
その二つとは
- 自発性を奪われる。
- 睡眠時間がなくなる。
です。
順番に説明しますね。
①自発性が奪われます。
大量の課題が子供に与える危険の1つに、
自発性が奪われてしまうということがあります。
入学後に、落ちこぼれる??
とある難関校の校長先生が、
こんなことを言っていました。
「この学校で、途中で成績が悪くなって勉強に困る子は、
○○(塾の名前)から受験した子がほとんどなんですよね…」
さらに、
「うちは、学習方法とか、自己管理を、しっかり自分で考える必要があります。
なので、○○(塾の名前)で課題を押し付けられていた子は、先生からの指示がないと、何をどうしたらいいのかが分からない。
だから、後で勉強に困っている」
とも言っていました。
塾の名前は伏せますが、
そこは課題をたくさん出すことで有名な塾でした。
受験以降も、人生は続きます。
当たり前ですが、
中学受験以降にも、子供の人生は続きます。
毎日コツコツ勉強して、中学に入ったのに、
その後に勉強で躓くなんて、結構、きつめの青春です。。
自発性を奪います。
課題を過度に出しすぎると、
子供の自発性を奪ってしまいます。
指示されることに慣れてしまい、
自分から考えることをしなくなるのです。
その傾向が一度身についてしまうと、
ずっと自分から行動を起こさない「受け身」の人生になるかもしれません。
②睡眠時間がなくなる。
また、多すぎる課題をこなすと、
睡眠時間がなくなってしまいますよね。
それも、危険です。
ワグナーの実験。
2004年に、ドイツの心理学者ワグナーらが以下のような実験を行いました。
まず、被験者に8個の数字を与え、
簡単な計算のルールを教えます。
被験者はその計算方法にしたがって8個の数字を使い、
順番に計算をしていきます。
そして、計算を繰り返したあと、
最後に出てきた数字を実験者に報告します。
計算は簡単です。すぐにできます。
しかし面倒なのは、それを7回しないといけないこと。
実はワグナーらは、8個の数字の中に、たった2回の計算で正解にたどりつける別の法則を隠していました。
よって、被験者がこの隠された法則に気がつけば、すぐ計算は終わるのです。
グループに分けられました。
被験者は以下のグループに分けられ、
それぞれ実験が行われました。
グループ1 :学習→8時間の睡眠(夜11時~朝7時)→テスト
グループ2:学習→8時間の覚醒(夜1時~朝7時)→テスト
グループ3 :学習→8時間の覚醒(朝1時~夜7時)→テスト
グループ4:8時間の睡眠(夜1時~朝7時)→学習→テスト
グループ2とグループ3は、
起きている時間が夜か昼かの違いです。
またグループ4は8時間の睡眠後、
学習してすぐにテストをしました。
結果はこちらです。
すると結果に、以下のような大きな差が出たのです。
隠された2回で終わる方法を見つけた人の割合は…
- グループ1:59.1%
- グループ2:22.7%
- グループ3:22.7%
- グループ4: 25.0%
上記です。
記憶を再構成しています。
なぜこのような結果になったのでしょう。
実は、睡眠時間中(ノンレム睡眠)、人間の脳は、記憶を再構成しています。
学習したことを、整理しているのです。
よって、睡眠から目覚めた脳は、
その法則に気付きやすくなっていたのです。
もし、眠りが短く浅いと、
その再構成の機能が低下してしまうのです。
睡眠削ると、効率悪いです。
よって、睡眠を削ると、記憶の定着率が下がり、
結果としては、学習効率が悪くなることになりますよね。
なので、課題をたくさん出されて、睡眠時間を削って解いても、
頭の中に残るのはちょっとだけ。というケースが多いのです。
課題はすべてこなす必要はありません。
子供にとってのベストを選んでいくのを、おすすめします。
では、どのように取捨選択をすればいいのでしょうか。
過去記事から、その方法をご覧ください。
今日は「イライラする子供の対処法」について話しました。
是非参考にしてください。
今日の記事を終わります。
記事公開日・最終更新日 2020年10月3日
参考・引用
『最強の中学受験』,安浪京子,2018