こんにちは。
中学受験をされるお子様を持つ保護者の方で
うちの子、親が見ているところでは勉強するんだけど、
目を離した途端に遊び始めちゃう…
という方はいませんか?
親が見ていないところでは勉強しないということは、
本心では勉強を楽しめていないということ。
そこには、何か原因があるはずです。
でも、大抵の親は、
子供がやる気を失う時に発する「危険信号」に気づけていません。
その「危険信号」をいちはやく察知して、
対策を打っていくことで、
自分から「勉強したい!」と言える子を育てることができます。
本記事では中学受験業界に10年以上携わってきた
プロ家庭教師Edenの居村が
- 子供がやる気を失う4つの危険信号
- 今のやる気は「未来」につながる
についてお話しします。
ぜひご覧ください。
4つの危険信号
テレビ・スマホに走る
目を離したすきに、
子供がテレビやスマホに走る…。
そこには何か原因があるはずです。
テレビやスマホなどの特徴は、「受け身」の娯楽であること。
一方的に情報を与えられて楽しむ「受け身」の娯楽しか周りにない状態なので、
そこで憂さ晴らしをするしかないのです。
このような危険信号が出た場合、
おすすめの対策は以下の通りです。
- 子供の周りに本を十分に置く。
- テレビの視聴時間やインターネットの使用時間を制限する。
- 子供を色々な場所に連れていく。
「本を読む」、「足を運ぶ」、
これらはどちらも「能動的」な娯楽です。
受け身の娯楽の代わりに、
「自分の頭で考える」「自分の足で動く」楽しさを教えることが、
テレビやスマホの習慣を断ち切るベストな方法です。
成績にストレスを感じる
子供が成績にストレスを感じている…。
人は「嫌なもの」に対しては「考えたくない」生き物なので、
成績にストレスを感じる子は、
自然と勉強から目を背けるようになっていきます。
そんな時、チェックするべき項目があります。
- いつも「勉強しろ」「いい成績をとれ」と言っていませんか。
- 成績が悪かった時、ひどく叱りませんでしたか。
- 学校でいじめを受けていませんか。
これらの傾向に気づくだけでも、
状況は大きく改善されます。
その後は、以下のような対策を行なっていきましょう。
- 成績で子供を叱らない。
- 学校で起きていることを子供に尋ねる。
- 「何があっても親は子供の味方」であることをさりげなく伝える。
宿題が嫌い
宿題が嫌いになっていく子は、
「負のスパイラル」にはまっている子が多いです。
「基礎学力がない」
↓
「わからない」
↓
「楽しくない」
↓
「勉強しない」
↓
「ますますわからない」
↓
…
このような場合、いくら「宿題しなさい」と言ったところで、
負のスパイラルにはまっていくだけです。
その代わりに、
負のスパイラルから抜け出す手伝いをしてあげましょう。
- 「宿題をしろ」と口うるさく言うのをやめましょう。
- 「どこからわからなくなったのか」を一緒に探し当てましょう。
自分の考えが言えない
算数の計算問題や、社会の知識問題はできるのに、
なぜか国語の読解問題が苦手…。
このような場合、一概には言えませんが、
子供の日常生活に「自分の考えを言う」機会が足りていない可能性があります。
「別に国語の読解で成績が取れなくても大丈夫」
と割り切るのもありですが、
「自分の考えを述べる」機会を持つことは子供のやる気に直結します。
また、国語の読解力は全ての科目の基礎になるものなので、
ここを怠っていると、全教科で痛い目を見ることになりかねません。
学んだ知識は、アウトプットして初めて
お子さんのものになります。
学校や塾から帰ってきた際、
- 「今日はどんなことを勉強したの?」
- 「その授業を受けてあなたはどう思った?」
などと、質問してみましょう。
今のやる気は「未来」につながる
自分から学ぶ姿勢
子供が勉強にやる気を感じていない…。
この症状は、「成績が上がらない」「テストで点数が取れない」
といった悩みよりはるかに深刻です。
しかし、上で述べた四つの危険信号を敏感に察知して
対策を打っていけば、必ず乗り越えられます。
そして勉強にやる気が出るようになれば、
中学受験の後も、「自分から」勉強できるようになります。
テストがなくても、友達みんなが遊んでいても、
自分は勉強が楽しいから学び続ける…
その学習態度を身につけたお子さんは、
どこに行っても自力で道を切り開いていけます。
「勉強=楽しい」という認識を幼い頃に作っておくことは、
お子さんの人生にとって一生の宝物になるでしょう。
「与える」より「引き出す」
子供が勉強にやる気を感じていない理由。
それは、上で見てきてわかった通り、
「子供の意見に耳を傾けない」環境に原因があります。
「子供のため」と思って与えているつもりが、
ひょっとして子供の自発性ややる気を奪っているかもしれない…。
そんな時、意識すべきキーワードは、
「引き出す」という言葉。
もともと、「教育」を意味する「エデュケーション」の語源となった
ラテン語の「エデュカーレ」は、
「引き出す」という意味を持っていました。
子供の持っている良い性質を、
「信じて」、「引き出す」のには、勇気が要ります。
でも、歴史上で偉人と言われる人々の母親は、
みんな「超」がつくほどの「親バカ」でした。
例えば、イエス・キリストを産んだ聖母マリアも、
大工を継がずに放浪している息子をずっと信じ続けた「親バカ」だったと言えます。
(ユダヤ人の間では有名なジョークだそうです。)
「塾に通わせよう」「教材を与えよう」といった親の「与える姿勢」の背後に、
「うちの子、ほっといたら何をしでかすかわからないから」という不信感があるなら、
それこそ子供のやる気を削いでいる原因かもしれません。
子供を信じましょう。
親が子供を信じた分だけ、
子供は大きく育っていくのです。
今日は「勉強のやる気が出ない子の対策」について話しました。
ぜひ参考にしてください。
今日の記事を終わります。
記事公開日・最終更新日 2021年3月14日
参考・引用
『「与える」より「引き出す」! ユダヤ式天才教育のレシピ』アンドリュー・サター, 2010